1 アンテナの最適放射長#
1.1 垂直単極アンテナ#
理想的な直立アンテナの場合、その最適放射効率は長さが約 $$
L=\frac{\lambda}{4}
すなわち、アンテナの長さが電磁波の波長の $\frac{1}{4}$ の時、放射効率が最も良い。
## 半波振子アンテナ
L=\frac{\lambda}{2}
## 全波アンテナ
L=\lambda
## 補足
接地された垂直アンテナは、長さが $\frac{\lambda}{4}$ の時、アンテナの頂端電圧が最大になり、電流は 0 で、基座電流が最大となり、最も理想的な放射点となる。
# 2 アンテナのロード
アンテナにロードをかけることで、アンテナの電気的長さを引き延ばし、物理的に短いアンテナを使用する。本質的には、アンテナの共振条件を調整すること。
## 2.1 感性ロード
- $\frac{\lambda}{4}$ より短いアンテナに使用し、その電抗部分の容量特性を補償する
- アンテナの適切な位置にインダクタを直列接続し、通常は底部または中部に近い位置
- $\frac{\lambda}{4}$ より短いアンテナは容量性(電抗が負)を示し、インダクタ(正電抗)を追加して補償し、アンテナを共振させる。
## 2.2 容性ロード
- アンテナの等価長さを増加させるために使用
- アンテナの頂端に容量構造を追加
- アンテナの頂端電圧を高め、放射効率を増加させ、アンテナの対地電抗を低下させ、電流分布の引き伸ばし効果を高める。
|項目|感性ロード|容性ロード|
|---|---|---|
|理由|短いアンテナの容量を補償|端電圧を強化し、効率を向上|
|位置|底部/中部に直列|頂部に並列/「キャパシタ帽」をロード|
|作用|共振を実現|電気的に長さを延長|
|一般的な応用|短波鞭状アンテナ|移動局、車載アンテナなど|
## ロード位置の影響
- 底部ロード:電流への影響が小さく、必要なインダクタ値が大きく、効率が低い
- 中部ロード:効率が良く、構造が複雑
- 頂部ロード:放射効率が最も良いが、構造が複雑で風抵抗が大きい